散る花は道見えぬまでうづまなん
別るる人も立ちや止まると
- 歌の意味
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散る花は、道が見えなくなるほど埋め尽くしてほしい。別れて行く人も、それで立ち止まるかもしれないと思って。
- 鑑賞
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巻第六 別歌 303
詞書は前の歌に続き「題しらず」
散る花が道を見えなくなるほど埋め尽くしてほしい、そうすれば別れて行く人も足を止めるかもしれないと願う歌である。旅立ちを引き留めたいという叶わぬ願いを、落花に託している。
初句「散る花は」は、散る桜の花は、の意である。前歌の露に濡れた桜に続き、散る花が詠まれる。
二句「道見えぬまで」は、道が見えなくなるまで、の意である。
三句「うづまなん」は、道を埋めてほしい、の意で、「なん」は他にあつらえ望む終助詞である。ここで句切れとなり、倒置によって願う理由を後に示している。
四句「別るる人も」は、別れて行く人も、の意である。
結句「立ちや止まると」は、立ち止まるかもしれないと思って、の意で、係助詞「や」は疑問を表す。本巻の第三百二十二首では、別れは引き留めがたいと詠まれる。
うづむ:埋もれる。覆い隠される
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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桜花露に濡れたる顔見れば 泣きて別れし人ぞ恋しき
- 次の歌
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雁がねの帰るを聞けば別れ路は 雲居遥かに思ふばかりぞ