別れてふ事は誰かは始めけん
苦しきものと知らずやありけん
- 歌の意味
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別れというものは、いったい誰が始めたのだろうか。それがこれほど苦しいものだとは知らなかったのだろうか。
- 鑑賞
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巻第六 別歌 307
詞書は前の歌に続き「題しらず」
別れというものを誰が始めたのか、それが苦しいものだと知らなかったのだろうかと問いかける歌である。目の前の別れを越えて、別れというものそのものを恨む形で、その苦しさの深さを表している。
初句「別れてふ」は、別れという、の意で、「てふ」は「といふ」がつまった形である。
二句「事は誰かは」は、ことは誰が、の意で、「かは」は疑問を強めている。
三句「始めけん」は、始めたのだろうか、の意で、「けん」は過去推量の助動詞であり、係助詞「か」を受けて連体形で結ぶ。ここで句切れとなる。
四句「苦しきものと」は、苦しいものだと、の意である。
結句「知らずやありけん」は、知らなかったのだろうか、の意で、係助詞「や」を受けて連体形「けん」で結ぶ。三句と結句が同じ「けん」で終わり、問いを重ねている。本巻の第三百三十六首は、生きながら別れる世の定めを嘆き、別れそのものを見つめる歌として呼応している。
はじむ:物事を新しく起こす。始める
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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忘るなよ別れ路に生ふる葛の葉の 秋風吹かば今帰り来む
- 次の歌
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時しもあれ秋しも人の別るれば いとど袂ぞ露けかりける