別るるををしとぞ思ふ剣羽の
身をより砕く心地のみして
- 歌の意味
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別れを惜しいと思う。鴛鴦の剣羽が身をよじらせるように、わが身を砕くような心地ばかりがして。
- 鑑賞
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巻第六 別歌 325
詞書は前の歌に続き「題しらず」
別れを惜しいと思い、鴛鴦の剣羽のように身を砕くような心地ばかりがすると詠む歌である。「惜し」に鴛鴦の「鴛」を掛けて剣羽を導き、刃のような羽に身を切り砕かれる痛みとして、別れのつらさを表している。
初句「別るるを」は、別れることを、の意である。
二句「をしとぞ思ふ」は、惜しいの意の「惜し」と、鴛鴦の古名の「鴛」とを掛け、係助詞「ぞ」を受けて連体形「思ふ」で結ぶ。ここで句切れとなる。
三句「剣羽の」は、鴛鴦の雄の翼にある、剣のように立った羽をいい、二句の「鴛」の縁で導かれている。
四句「身をより砕く」は、身をよじり砕く、の意と解され、剣羽の鋭さから身を切り砕かれるような痛みをいう。
結句「心地のみして」は、心地ばかりがして、の意で、倒置によって惜しむ心の有様を後に示している。前歌までの涙と袖の歌に続き、ここでは身を砕く痛みとして別れを詠んでいる。
をし:惜しいの意と、鴛鴦の古名の鴛とを掛ける
つるぎば:鴛鴦の雄の翼にある、剣のように立った羽
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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別るればまづ涙こそ先に立て いかで後るる袖の濡るらん
- 次の歌
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旅人の露払ふべき唐衣 まだきも袖の濡れにけるかな