- 歌の意味
- あなたのことばかりを恋い慕いながら旅の草枕で寝ていると、露と涙にしとど濡れない明け方は一日もない。
- 鑑賞
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巻第六 別歌 346
詞書「題しらず」
都に残した人ばかりを恋しく思いながら旅寝を重ね、露と涙に濡れない明け方は一日もないと詠む歌である。旅寝の草の露に涙を重ね、旅の日々を通じて尽きることのない恋しさを表している。
初句「君をのみ」は、あなたのことばかりを、の意である。
二句「恋ひつつ旅の」は、恋い慕いながら旅の、の意で、「つつ」は反復と継続を表す。
三句「草枕」は、旅寝をいう。前歌の初句の「草枕」を受け、旅寝の歌が続く。
四句「露しげからぬ」は、露が多く置かない、の意で、露は涙をたとえる。
結句「暁ぞなき」は、明け方はない、の意で、係助詞「ぞ」を受けて連体形「なき」で結ぶ。巻頭の第三百一首の「たつ暁」と、旅立ちの暁と旅先の暁とで対をなしている。
あかつき:夜明け前のまだ暗いころ
くさまくら:草を結んだ枕。旅寝
- 作者
- よみ人しらず
- 出典
- 拾遺和歌集
- 前の歌
- 草枕我のみならず雁がねも 旅の空にぞ鳴き渡るなる
- 次の歌
- 遥かなる旅の空にも後れねば うらやましきは秋の夜の月