この家はうるかいりても見てしがな
主ながらも買はんとぞ思ふ
- 歌の意味
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この家は売るのだろうか。中に入ってでも見てみたいものだ。主人ごと買おうと思う。
- 鑑賞
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巻第七 物名 412
詞書「うるかいり」
この家は売るのだろうか、中に入ってでも見てみたい、主人ごと買おうと思うと戯れる歌である。家の主人への親しみを、家を主人ごと買うという誇張で表し、二句の「うるかいり」の音の続きに、詞書の「うるか煎り」の名を隠している。詞書の「うるかいり」は、この歌に詠み込まれた物の名である。
作者の「しけゆき」は源重之である。清和源氏の出で、地方官を歴任して諸国を旅し、陸奥で没したと伝えられる。三十六歌仙に数えられる。
初句「この家は」は、この家は、の意である。
二句「うるかいりても」は、売るのか、中に入ってでも、の意で、「うるかいり」の名を隠している。前歌の包み焼きに続き、料理の名が詠まれる。
三句「見てしがな」は、見てみたいものだ、の意で、「てしがな」は願望を表す。ここで句切れとなる。
四句「主ながらも」は、主人ごと、の意である。
結句「買はんとぞ思ふ」は、買おうと思う、の意で、係助詞「ぞ」を受けて連体形「思ふ」で結ぶ。二句の「売る」と結句の「買ふ」とが対をなしている。
うるかいり:うるか煎り。鮎のはらわたの塩辛を煎った食べ物とされる。「売るか入りても」の音の続きに隠して詠み込む
あるじ:家の主人
- 作者
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源重之
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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我妹子が身を捨てしより猿沢の 池のつつみやきみは恋しき
- 次の歌
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東にて養はれたる人の子は したたみてこそものは言ひけれ