常よりも照りまさるかな山の端の
紅葉を分けて出づる月影
- 歌の意味
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いつもよりいっそう照り輝いていることだ。山の端の紅葉を分けて昇ってくる月の光は。
- 鑑賞
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巻第八 雑歌上 439
詞書「屏風の絵に」
山の端の紅葉を分けて昇る月の光は、いつもよりいっそう輝いて見えると詠む歌である。詞書から、屏風の絵に添えた歌とわかる。紅葉の色に照り映える月の光の美しさを、倒置によって印象深く描いている。前歌の遅く出る月に対し、この歌は紅葉の間から出る月を詠み、月の出の趣を受け継いでいる。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。古今和歌集の撰者の中心人物で、仮名序を執筆し、土佐日記を著した。三十六歌仙に数えられる。
初句「常よりも」は、いつもよりも、の意である。
二句「照りまさるかな」は、いっそう照り輝いていることよ、の意で、「かな」は詠嘆の終助詞である。ここで句切れとなり、下の句と倒置になっている。
三句「山の端の」は、山の稜線の、の意である。
四句「紅葉を分けて」は、紅葉の間を押し分けるようにして、の意で、紅葉の赤と月の光の対照を描いている。
結句「出づる月影」は、昇ってくる月の光、の意で、体言止めとして余韻を残している。前歌の三句「出でつれば」と同じく、出る月を詠んでいる。
やまのは:山の稜線。空と接する山の端
つきかげ:月の光
- 作者
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紀貫之
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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もち月の駒より遅く出でつれば たどるたどるぞ山は越えつる
- 次の歌
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久方の天つ空なる月なれど いづれの水に影宿るらん