流れ来る滝の糸こそ弱からし
貫けど乱れて落つる白玉
- 歌の意味
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流れ落ちてくる滝の糸は弱いらしい。玉を貫いても、乱れて落ちてしまう白玉であることだ。
- 鑑賞
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巻第八 雑歌上 448
詞書「延喜十三年、斎院の御屏風四帖が歌、仰せによりて」
流れ落ちる滝の糸は弱いらしい、玉を貫いても乱れて落ちてしまう白玉よと詠む歌である。詞書から、延喜十三年に斎院の屏風四帖のための歌を命じられて詠んだものとわかる。前歌の第四百四十七首が滝の糸を玉を貫く緒と見たのに対し、この歌はその糸が弱くて玉が乱れ落ちると詠み、同じ見立てを反転させている。初句「流れ来る」を共有する二首が並べられている。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。古今和歌集の撰者の中心人物で、仮名序を執筆し、土佐日記を著した。三十六歌仙に数えられる。
初句「流れ来る」は、流れ落ちてくる、の意で、前歌の初句と同じ句である。
二句「滝の糸こそ」は、滝の糸は、の意で、「こそ」は強意の係助詞である。
三句「弱からし」は、弱いらしい、の意で、「らし」は根拠のある推定の助動詞であり、係助詞「こそ」を受けて結んでいる。ここで句切れとなる。
四句「貫けど乱れて」は、貫いても乱れて、の意で、糸が弱いと推定した根拠を示している。
結句「落つる白玉」は、落ちていく白玉、の意で、体言止めである。白玉は滝のしぶきの見立てで、前歌の「玉の緒」を受けている。
ぬく:貫く。玉に糸を通す
さいゐん:斎院。賀茂神社に奉仕した未婚の皇女
- 作者
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紀貫之
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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流れ来る滝の白糸絶えずして いくらの玉の緒とかなるらん
- 次の歌
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滝の糸は絶えて久しく成りぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ