- 歌の意味
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大井川の川辺に立つ松に尋ねてみよう。このようなすばらしい行幸が、昔もあったのかと。
- 鑑賞
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巻第八 雑歌上 455
詞書「同じ御時、大井に行幸ありて、人々に歌詠ませさせ給ひけるに」
大井川の川辺の松に、このような行幸が昔もあったのかと尋ねてみようと詠む歌である。詞書から、前歌と同じく醍醐天皇の御代に大井川へ行幸があり、人々に歌を詠ませた折の歌とわかる。長い年月を生きてきた松に問いかける形で、この行幸が昔にも例のないほど盛大であることを称えている。前の二首の松風に続き、ここでは年を経た松そのものを詠んでいる。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。古今和歌集の撰者の中心人物で、仮名序を執筆し、土佐日記を著した。三十六歌仙に数えられる。
初句「大井河」は、京都の嵯峨を流れる川で、大堰川とも書く。
二句「川辺の松に」は、川辺に立つ松に、の意である。
三句「事問はむ」は、尋ねてみよう、の意で、「む」は意志の助動詞である。ここで句切れとなり、下の句と倒置になっている。
四句「かかる行幸や」は、このような行幸が、の意で、「や」は疑問の係助詞である。
結句「ありし昔も」は、昔もあったのか、の意で、倒置によって下の句が問いの内容となっている。次歌の第四百五十六首でも、長い齢を持つ松を詠んでいる。
こととふ:尋ねる。問いかける
みゆき:行幸。天皇のお出かけ
- 作者
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紀貫之
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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雨降ると吹く松風は聞こゆれど 池の汀はまさらざりけり
- 次の歌
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音にのみ聞き渡りつる住吉の 松の千歳を今日見つるかな