- 歌の意味
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藻を刈る舟が今ちょうど渚に寄って来るらしい。水際の鶴の鳴き声が騒がしく聞こえる。
- 鑑賞
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巻第八 雑歌上 465
詞書「題しらず」
水際の鶴の声が騒がしいので、藻を刈る舟が今ちょうど渚に寄って来るらしいと詠む歌である。鶴の鳴き騒ぐ声から、見えない舟の動きを推し量っており、音によって海辺の情景を描き出している。本巻の第四百五十九首の鶴の声を受け、前歌の第四百六十四首の明石の浦の波に続いて、渚に寄る舟を詠んでいる。
初句「藻刈舟」は、藻を刈り取る舟、の意である。本巻の第四百八十九首にも玉藻を刈る舟が詠まれている。
二句「今ぞ渚に」は、今ちょうど渚に、の意で、「ぞ」は強意の係助詞である。
三句「来寄すなる」は、寄って来るらしい、の意で、「なる」は音などから推定する助動詞「なり」の連体形であり、係助詞「ぞ」を受けて結んでいる。ここで句切れとなる。
四句「汀の鶴の」は、水際の鶴の、の意である。
結句「声騒ぐなり」は、鳴き声が騒がしく聞こえる、の意で、「なり」は聞こえたことから推定する助動詞である。上の句の推定の根拠を、倒置的に下の句で示している。
もかりぶね:藻を刈り取る舟
きよす:来て寄る
たづ:鶴
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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世とともにあかしの浦の松原は 波をのみこそよると知るらめ
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うち忍びいざすみの江の忘れ草 忘れて人のまたや摘まぬと