世の中にあらぬ所も得てしがな
年古りにたる形隠さむ
- 歌の意味
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この世の中ではない所を手に入れたいものだ。年老いてしまったこの姿を隠すために。
- 鑑賞
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巻第八 雑歌上 506
詞書「題しらず」
この世の中ではない所を得たいものだ、年老いてしまった姿を隠すためにと詠む歌である。老いた姿を人目にさらす恥ずかしさから、世の外に身を隠したいという思いを表している。前歌の第五百五首の世を捨てたいという願いを受け、ここから巻末まで「世の中」を詠む歌が続く。
初句「世の中に」は、この世の中に、の意で、次歌の初句「世の中を」とも語を共有している。
二句「あらぬ所も」は、ない所を、の意で、この世の外の場所をいう。
三句「得てしがな」は、手に入れたいものだ、の意で、「てしがな」は自己の願望を表す終助詞である。ここで句切れとなる。
四句「年古りにたる」は、年老いてしまった、の意で、「古り」は年を経て古くなる意である。
結句「形隠さむ」は、姿を隠そう、の意で、「む」は意志の助動詞である。倒置によって願いの目的を後から示している。
かたち:姿。容貌
ふる:古る。年を経て古くなる。老いる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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侘び人は憂き世の中に生けらじと 思ふ事さへかなはざりけり
- 次の歌
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世の中をかく言ひ言ひの果て果ては いかにやいかにならむとすらん