あしひきの山の小寺に住む人は
我が言ふこともかなはざりけり
- 歌の意味
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山の小さな寺に住む人は、私が言うことさえも、かなえてくれないのだった。
- 鑑賞
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巻第九 雑歌下 527
詞書「題しらず」
山の小さな寺に住む人は、私の言うことさえかなえてくれないのだったと詠む歌である。山寺にこもる人への、思うにまかせない嘆きを、やや戯れめいた調子で詠んでいる。前歌の第五百二十六首のなぞなぞの歌に続いて置かれ、次歌の第五百二十八首からの法師との贈答へとつながっていく。
初句「あしひきの」は、「山」を導く枕詞である。
二句「山の小寺に」は、山の小さな寺に、の意である。次歌の第五百二十八首の初句「山ならぬ」と、山の住まいの語で応じ合っている。
三句「住む人は」は、住んでいる人は、の意で、山寺の僧を指すと考えられる。
四句「我が言ふことも」は、私が言うことさえも、の意で、「も」は強調を表す。
結句「かなはざりけり」は、かなえてくれないのだった、の意で、「けり」は気づきの詠嘆を表す。
こでら:小寺。小さな寺
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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我が事はえもいはしろの結び松 千歳を経とも誰か解くべき
- 次の歌
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山ならぬ住処あまたに聞く人の 野臥にとくもなりにけるかな