貢ぎ積むおほくら山は常盤にて
色も変はらず万代ぞ経む
- 歌の意味
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貢ぎ物を積む大きな蔵という名の大蔵山は、常緑の木々に覆われて、色も変わらずに万代を経ていくだろう。
- 鑑賞
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巻第十 神楽歌 604
詞書「安和元年大嘗会風俗:大蔵山」
貢ぎ物を積む大きな蔵という名を持つ大蔵山は、常緑のまま色も変わらず万代を経ていくだろうと詠む歌である。地名の「大蔵」に、諸国からの貢ぎ物を納める朝廷の「大蔵」を掛け、豊かな貢ぎ物に満ちた御代が、常緑の山のように変わらず続くことを祝っている。
詞書の「安和元年大嘗会風俗」は、冷泉天皇の即位に伴って安和元年に行われた大嘗会で奉られた風俗の歌であることを示す。大嘗会では、悠紀と主基に選ばれた国の地名を詠み込んだ歌が奉られ、ここから第六百八首まで、その国の山や浜の名を題とする歌が並ぶ。
作者の「よしのぶ」は大中臣能宣である。伊勢神宮の祭主を務め、梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進にあたった。三十六歌仙に数えられる。
初句「貢ぎ積む」は、貢ぎ物を積む、の意で、二句の「おほくら」を導いている。
二句「おほくら山は」は、「おほくら」が題の地名の「大蔵」山と、貢ぎ物を納める「大蔵」を掛ける掛詞である。
三句「常盤にて」は、常緑であって、の意で、山の木々が色を変えないことをいう。
四句「色も変はらず」は、色も変わらずに、の意で、第六百二首の二句「色も変はらぬ」と同じ言い回しである。
結句「万代ぞ経む」は、万代を経ていくだろう、の意で、係助詞「ぞ」を受けて推量の助動詞「む」の連体形で結ぶ係り結びである。
みつぎ:貢ぎ。諸国から朝廷に納める物
おほくら:題の地名の「大蔵」山と、貢ぎ物を納める朝廷の「大蔵」を掛ける
ときは:常盤。永久に変わらないこと、常緑であること
- 作者
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大中臣能宣
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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万代をみかみの山の響くには 野洲河の水澄みぞあひにける
- 次の歌
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高島や三尾の中山杣立てて 作り重ねよ千代の並倉