今年より千歳の山は声絶えず
君が御代をぞ祈るべらなる
- 歌の意味
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今年から千歳の山は、声を絶やすことなく、君の御代の長久を祈るようである。
- 鑑賞
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巻第十 神楽歌 609
詞書「天禄元年大嘗会風俗:千世の山」
今年から千歳の山は声を絶やさず、君の御代を祈り続けるようだと詠む歌である。新しい天皇の御代の始まりを「今年より」と示し、千歳という名を持つ山が、絶えることなく御代の長久を祈る声を響かせるさまを描いている。天禄元年の大嘗会の風俗の一連の始まりの歌である。
詞書の「天禄元年大嘗会風俗」は、円融天皇の即位に伴って天禄元年に行われた大嘗会で奉られた風俗の歌であることを示す。ここから第六百十七首まで、前の安和元年の一連と同じく、地名を題とする歌が並び、同じ地名が二度の大嘗会で詠まれている。
作者の「よしのぶ」は大中臣能宣である。伊勢神宮の祭主を務め、梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進にあたった。三十六歌仙に数えられる。
初句「今年より」は、今年から、の意で、新しい御代の始まりを示している。第六百十二首の初句「今日よりは」と、始まりを示す言い回しを共有している。
二句「千歳の山は」は、千歳の山は、の意で、詞書の「千世の山」を指し、名に長寿の意を込めている。
三句「声絶えず」は、声を絶やさず、の意で、山に響く祈りの声をいう。
四句「君が御代をぞ」は、君の御代を、の意で、係助詞「ぞ」は結句の連体形で結ぶ係り結びである。
結句「祈るべらなる」は、祈るようである、の意で、「べらなり」は推量を表す助動詞である。
べらなり:〜のようだ、の意を表す助動詞
ちとせ:千歳。千年。長い年月
- 作者
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大中臣能宣
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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滞る時もあらじな近江なる おものの浜の海人のひつぎは
- 次の歌
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近江なるいやたか山の榊にて 君が千代をば祈りかざさん