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鶴の住む松が崎には並べたる
千代のためしを見するなりけり

歌の意味
鶴の住む松が崎では、鶴と松とを並べて、千代の長寿のためしを見せているのであった。
鑑賞
巻第十 神楽歌 617

詞書「天禄元年大嘗会風俗:松が崎」
 鶴の住む松が崎では、鶴と松とを並べて千代の長寿のためしを見せているのだったと詠む歌である。千年の寿命を持つとされる鶴と松をともに見せる松が崎の景色を、御代の長久のためしとしてたたえている。安和元年の大嘗会の第六百七首も松が崎を題とし、鶴と松を詠んでおり、天禄元年の風俗の一連を同じ取り合わせで結んでいる。
 詞書の「天禄元年大嘗会風俗」は、円融天皇の即位に伴って天禄元年に行われた大嘗会で奉られた風俗の歌であることを示す。ここから第六百十七首まで、前の安和元年の一連と同じく、地名を題とする歌が並び、同じ地名が二度の大嘗会で詠まれている。
 作者の「かねもり」は平兼盛である。光孝天皇の流れをくむ篤行王の子で、臣籍に降って平氏となった。三十六歌仙に数えられ、天徳内裏歌合で壬生忠見と競った百人一首の「しのぶれど」の歌で知られる。

 初句「鶴の住む」は、鶴が住む、の意で、第六百七首の四句「鶴さへ遊ぶ」と鶴を詠む点で共通している。
 二句「松が崎には」は、松が崎には、の意で、題の地名である。第六百七首の二句「松が崎には」と同じ句である。
 三句「並べたる」は、並べている、の意で、鶴と松とを並べることをいう。
 四句「千代のためしを」は、千代の長寿の例を、の意である。
 結句「見するなりけり」は、見せているのであった、の意で、「なり」は断定、「けり」は気づきの詠嘆を表す。

ためし:例。手本、先例
まつがさき:松が崎。題の地名
作者
平兼盛
出典
拾遺和歌集
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泉河のどけき水の底見れば 今年は影ぞ澄みまさりける
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あしひきの山の榊葉常盤なる 影に栄ゆる神のきねかな