あしひきの山の榊葉常盤なる
影に栄ゆる神のきねかな
- 歌の意味
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山の榊葉が常緑であるように、その変わらぬ影のもとで栄えている神のきねであることよ。
- 鑑賞
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巻第十 神楽歌 618
詞書「延長四年八月二十四日、民部卿清貫が六十賀、中納言恒佐奏し侍りける時の屏風に、神楽する所の歌」
山の榊葉の常緑の影のもとで栄えている神のきねであることよと詠む歌である。詞書から、延長四年八月二十四日に、民部卿藤原清貫の六十の賀を中納言藤原恒佐が催して献じた折の屏風に、神楽をしている場面が描かれた所に添えた歌とわかる。変わらない榊の緑に、神に仕える者の栄えを重ね、賀を受ける清貫の長寿と繁栄を祝っている。巻頭の第五百七十六首、第五百七十七首の榊葉の歌と呼応し、神楽の場の榊を詠んでいる。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。古今和歌集の撰者の中心人物で、仮名序を執筆し、土佐日記を著した。三十六歌仙に数えられる。
初句「あしひきの」は、「山」を導く枕詞である。
二句「山の榊葉」は、山の榊の葉、の意で、巻頭の第五百七十六首、第五百七十七首の初句「榊葉」と同じ語である。
三句「常盤なる」は、常緑である、の意で、榊の変わらない緑をいう。
四句「影に栄ゆる」は、その影のもとで栄えている、の意で、「影」は榊の木陰と、変わらない恵みの意を重ねている。
結句「神のきねかな」は、神に仕えるきねであることよ、の意で、「かな」は詠嘆を表す。
きね:神に仕えて神楽を奏する人
ときは:常盤。永久に変わらないこと、常緑であること
ろくじふのが:六十の賀。六十歳を迎えた長寿の祝い
- 作者
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紀貫之
- 出典
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拾遺和歌集
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大汝少御神の作れりし 妹背の山を見るぞうれしき