- 歌の意味
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大汝と少御神がお作りになった妹背の山を、こうして見ることのできるのはうれしいことだ。
- 鑑賞
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巻第十 神楽歌 619
詞書「旅にて詠み侍りける」
大汝と少御神が作った妹背の山を見るのはうれしいと詠む歌である。詞書から、旅の途中で詠んだ歌とわかる。国作りの神である大汝と少御神が作ったという伝承を持つ妹背の山を目にした喜びを、神代への思いとともに表している。妹と背が向かい合う山の名に、親しい人への思いも重なる。
作者の「人まろ」は柿本人麻呂である。持統天皇、文武天皇の時代に仕えた宮廷歌人で、歌聖と称される。
万葉集の巻七に、ほぼ同じ趣の歌が見える。
初句「大汝」は、国作りの神である大国主神の別名である。
二句「少御神の」は、大汝とともに国作りをした少彦名神の、の意である。
三句「作れりし」は、作った、の意で、「り」は完了の助動詞、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。
四句「妹背の山を」は、紀伊国の妹山と背山を、の意で、紀ノ川を挟んで向かい合う二つの山をいう。
結句「見るぞうれしき」は、見るのはうれしいことだ、の意で、係助詞「ぞ」を受けて形容詞「うれし」の連体形で結ぶ係り結びである。次歌の第六百二十首の二句「神もうれしと」と、「うれし」の語を共有している。
おほなむち:大汝。大国主神の別名
すくなみかみ:少御神。少彦名神
いもせのやま:妹背の山。紀伊国の妹山と背山
- 作者
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柿本人麻呂
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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あしひきの山の榊葉常盤なる 影に栄ゆる神のきねかな
- 次の歌
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めづらしき今日の春日の八乙女を 神もうれしと偲ばざらめや