あしひきの山下とよみ行く水の
時ぞともなく恋ひわたるかな
- 歌の意味
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山の麓を音を響かせて流れて行く水のように、いつと時を定めることもなく、絶えず恋い続けることだ。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 645
詞書は前の歌に続き「題しらず」
山の麓を響きを立てて流れる水のように、いつという時もなく絶えず恋い続けると詠む歌である。上の句を序詞とし、絶えず音を立てて流れる山の水に、止むことのない恋心をよそえている。前の二首の山彦に続き、山の景物を用いて恋を詠んでいる。
初句「あしひきの」は、「山」を導く枕詞である。
二句「山下とよみ」は、山の麓を鳴り響かせて、の意で、「とよむ」は音が鳴り響く意である。
三句「行く水の」は、流れて行く水のように、の意で、ここまでが四句以下を導く序詞である。
四句「時ぞともなく」は、いつという時の区別もなく、の意である。
結句「恋ひわたるかな」は、恋い続けることだ、の意で、「かな」は詠嘆を表す。第六百三十一首の結句「恋ひやわたらむ」と、恋い続ける意の「恋ひわたる」を共有している。
とよむ:響む。音が鳴り響く
やました:山下。山の麓
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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山彦は君にも似たる心かな 我が声せねばおとづれもせず
- 次の歌
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いかにしてしばし忘れん命だに あらば逢ふ夜のありもこそすれ