逢ふことを待ちし月日のほどよりも
今日の暮れこそ久しかりけれ
- 歌の意味
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逢うことを待っていた月日の長さよりも、今日の日暮れまでの時間のほうが、かえって長く感じられることだ。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌二 714
詞書「はじめて女のもとにまかりて、あしたにつかはしける」
逢う日を待っていた幾月日よりも、初めて逢った翌日に再び逢える日暮れを待つ一日のほうが長く感じられると詠む歌である。詞書から、初めて女のもとを訪ねた翌朝に贈った後朝の歌とわかる。月日と一日という長さの違う時を比べ、一日のほうを長いと言うことで、逢った後に一層募る恋しさを表している。ここから第七百十六首まで、同じ詞書のもとに後朝の歌が並ぶ。
作者の「よしのぶ」は大中臣能宣である。伊勢神宮の祭主を務め、梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進にあたった。三十六歌仙に数えられる。
初句「逢ふことを」は、逢うことを、の意である。
二句「待ちし月日の」は、待っていた月日の、の意で、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。四句の一日と対比される長い時である。
三句「ほどよりも」は、長さよりも、の意である。
四句「今日の暮れこそ」は、今日の日暮れまでこそ、の意で、係助詞「こそ」は結句の已然形「けれ」で結ぶ係り結びである。男が女のもとを訪れるのは日暮れであった。本巻の第七百二十二首の二句「暮れを待つ間の」と、日暮れを待つ心を共有している。
結句「久しかりけれ」は、長く感じられることだ、の意である。
あした:朝。ここでは共寝した翌朝
きぬぎぬ:後朝。共寝した男女が翌朝別れること
- 作者
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大中臣能宣
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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我が恋はなほ逢ひ見ても慰まず いやまさりなる心地のみして
- 次の歌
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暁のなからましかば白露の おきてわびしき別れせましや