来ぬかなとしばしは人に思はせむ
逢はで帰りし宵のねたさに
- 歌の意味
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来ないのだろうかと、しばらくはあの人に思わせてやろう。逢えないまま帰ったあの宵の悔しさの仕返しに。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌二 747
詞書は前の歌に続き「題しらず」
来ないのかと、しばらくはあの人に気をもませてやろう、逢えずに帰ったあの宵の悔しさにと詠む歌である。訪ねて行ったのに逢ってもらえなかった男が、仕返しにわざと訪れを控えて相手を待たせようとする、すねた心を率直に表している。
初句「来ぬかなと」は、来ないのだろうかと、の意である。
二句「しばしは人に」は、しばらくはあの人に、の意である。
三句「思はせむ」は、思わせてやろう、の意で、「せ」は使役、「む」は意志の助動詞である。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「逢はで帰りし」は、逢えないまま帰った、の意で、「で」は打消の接続助詞である。
結句「宵のねたさに」は、宵の悔しさに、の意で、倒置して三句の理由を示している。
ねたさ:妬さ。悔しさ、いまいましさ
よひ:宵。日が暮れて間もないころ
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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杉板もて葺ける板間のあはざらば いかにせむとか我が寝そめけん
- 次の歌
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秋霧の晴れぬ朝の大空を 見るがごとくも見えぬ君かな