逢ふ事はかたわれ月の雲隠れ
おぼろけにやは人の恋しき
- 歌の意味
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逢うことは難く、片割れ月が雲に隠れるように会えずにいるが、並ひととおりにあの人が恋しいのだろうか。いや、そうではない。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 784
詞書は前の歌に続き「題しらず」
逢うことは難しく、半月が雲に隠れるように会えないが、あの人を恋しく思うのは並ひととおりのことではないと詠む歌である。「かたわれ月」に逢うことの「難い」意を掛け、雲に隠れる月のおぼろな光から「おぼろけ」を導き、深い恋心を反語で強く訴えている。
初句「逢ふ事は」は、逢うことは、の意である。
二句「かたわれ月の」は、「かた」が逢うことの「難し」と、半分に欠けた「片割れ月」を掛ける掛詞である。
三句「雲隠れ」は、雲に隠れて、の意である。前歌の第七百八十三首と次歌の第七百八十五首の三句と同じ句で、三首が並んで雲に隠れる月を詠んでいる。
四句「おぼろけにやは」は、並ひととおりに、の意で、雲に隠れた月のおぼろな光から導かれている。「やは」は反語を表す係助詞である。
結句「人の恋しき」は、あの人が恋しいのだろうか、の意で、係助詞「やは」を受けて「恋しき」と連体形で結び、並ひととおりではないと反語で言い切っている。
かたわれづき:片割れ月。半分に欠けた月。逢うことの「難し」の「かた」を掛ける
おぼろけ:並ひととおりであること
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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三日月のさやかに見えず雲隠れ 見まくぞほしきうたてこのころ
- 次の歌
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秋の夜の月かも君は雲隠れ しばしも見ねばここら恋しき