長き夜も人をつらしと思ふには
寝なくに明くる物にぞありける
- 歌の意味
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秋の長い夜も、あの人を恨めしいと思っていると、寝もしないうちに明けてしまうものであったよ。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 799
詞書は前の歌に続き「題しらず」
長い夜も、つれない人を恨めしく思いながら過ごすと、眠らぬうちに明けてしまうものだったと詠む歌である。恋人を恨む思いに心を奪われ、眠れぬまま夜明けを迎えてしまうことに気づいた嘆きを詠んでいる。
初句「長き夜も」は、長い夜も、の意である。第七百七十八首の四句「長々し夜を」と、夜の長さを共有している。
二句「人をつらしと」は、あの人を恨めしいと、の意である。前の第七百九十七首の四句「雨をつらしと」と同じ言い回しで、雨を恨む歌から人を恨む歌へと移っている。
三句「思ふには」は、思っていると、の意である。
四句「寝なくに明くる」は、寝ないのに明ける、の意で、「なくに」は打消の意を表す。
結句「物にぞありける」は、ものであったよ、の意で、係助詞「ぞ」を受け、気づきの助動詞「けり」の連体形「ける」で結んでいる。
あく:明く。夜が明ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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衣だに中にありしはうとかりき 逢はぬ夜をさへ隔てつるかな
- 次の歌
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忘れなん今は問はじと思ひつつ 寝る夜しもこそ夢に見えけれ