いかなりし時くれ竹のひとよだに
いたづらぶしを苦しと言ふらん
- 歌の意味
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いったいどのような時に、呉竹の一節ほどのたった一夜でさえ、むなしい独り寝を苦しいなどと言ったのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 804
詞書は前の歌に続き「題しらず」
かつてはどのような時に、たった一夜のむなしい独り寝さえ苦しいなどと言っていたのだろうかと詠む歌である。今は独り寝の夜が重なるばかりで、一夜の独り寝を嘆いていた昔はまだ幸せだったと振り返っている。呉竹の縁語を連ね、竹の節と夜とを重ねた技巧の歌である。
初句「いかなりし」は、どのようであった、の意である。次歌の第八百五首の初句「いかならん」と、過去と未来の問いで対をなしている。
二句「時くれ竹の」は、「くれ」が時が「暮れ」と「呉竹」を掛ける掛詞である。次歌の第八百五首の三句「呉竹の」と、呉竹の語を共有している。
三句「ひとよだに」は、「ひとよ」が「一夜」と、竹の節と節の間を言う「一節(ひとよ)」を掛ける掛詞である。「だに」は、さえ、の意を表す副助詞である。
四句「いたづらぶしを」は、むなしい独り寝を、の意で、「ふし」に竹の「節」を響かせ、呉竹の縁語としている。
結句「苦しと言ふらん」は、苦しいと言ったのだろうか、の意で、「らん」は原因を推量する助動詞である。
くれたけ:呉竹。淡竹の一種。時が「暮れ」の意を掛ける
ひとよ:「一夜」と、竹の節と節の間の「一節(ひとよ)」を掛ける
いたづらぶし:むなしく独りで寝ること。「ふし」に竹の「節」を響かせる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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我が背子がありかも知らで寝たる夜は 暁方の枕さびしも
- 次の歌
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いかならんをりふしにかは呉竹の よるは恋しき人に逢ひ見む