かの岡に萩刈る男縄をなみ
練るやねりそのくだけてぞ思ふ
- 歌の意味
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あの岡で萩を刈る男が、縄がないので木の枝をねじって作るねりそが砕けるように、心も砕けるばかりに思い悩んでいる。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 813
詞書は前の歌に続き「題しらず」
あの岡で萩を刈る男が縄の代わりにねじるねりそが砕けるように、心も砕けるほどに思い悩むと詠む歌である。上の句の萩刈りの素朴な景が序詞となり、ねじられて砕けるねりそに、千々に乱れる恋の苦しさを重ねている。
作者の「みつね」は凡河内躬恒である。古今和歌集の撰者の一人で、三十六歌仙に数えられる。百人一首の「心あてに折らばや折らむ初霜の」の歌で知られる。
初句「かの岡に」は、あの岡で、の意である。
二句「萩刈る男」は、萩を刈る男が、の意である。
三句「縄をなみ」は、縄がないので、の意で、「み」は原因や理由を表す接尾語である。
四句「練るやねりその」は、ねじって作るねりそのように、の意で、「や」は調子を整える間投助詞である。初句から四句のここまでが、「くだけて」を導く序詞となる。
結句「くだけてぞ思ふ」は、心も砕けるばかりに思い悩む、の意で、係助詞「ぞ」を受けて「思ふ」と連体形で結んでいる。
をのこ:男
ねりそ:木の枝などをねじって柔らかくし、縄の代わりにしたもの
くだく:砕く。心が砕けるほど思い乱れる
- 作者
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凡河内躬恒
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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梓弓春の荒田をうちかへし 思ひやみにし人ぞ恋しき
- 次の歌
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春来れば柳の糸もとけにけり 結ぼほれたる我が心かな