刈りて干す淀の真菰の雨降れば
つかねもあへぬ恋もするかな
- 歌の意味
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刈って干す淀の真菰が、雨が降ると束ねきれないように、まとめきれないほど乱れた恋をすることよ。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 824
詞書は前の歌に続き「題しらず」
刈って干してある淀の真菰が雨に降られて束ねきれないように、まとめきれないほど乱れた恋をしていると詠む歌である。上の句の真菰刈りの景が序詞となり、取り乱して収拾のつかない恋心を、雨に濡れて束ねられない真菰に重ねている。
なお本文の四句は「つかねもあへぬ」とあり、読み仮名の行の「つかぬもあへぬ」と一致しない。ここでは本文の表記に従う。
初句「刈りて干す」は、刈って干す、の意である。
二句「淀の真菰の」は、山城の淀に生える真菰の、の意である。
三句「雨降れば」は、雨が降るので、の意である。初句からここまでが序詞となる。前の第七百九十七首が雨を恨む歌であったのに対し、この歌は雨を恋の乱れのたとえとしている。
四句「つかねもあへぬ」は、束ねきれない、の意で、「あへぬ」は、しきれない、の意を表す。
結句「恋もするかな」は、恋をすることよ、の意で、「かな」は詠嘆を表す。第七百九十一首の結句「恋もするかな」と同じ結句である。
まこも:真菰。水辺に生えるイネ科の草
つかぬ:束ぬ。束ねる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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夏衣薄きながらぞ頼まるる ひとへなるしも身に近ければ
- 次の歌
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水無月の土さへ裂けて照る日にも 我が袖干めや妹に逢はずして