手枕のすきまの風も寒かりき
身はならはしのものにぞありける
- 歌の意味
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共寝をしていた頃は、手枕のわずかな隙間に入る風さえ寒く感じられたものだ。身というものは、慣れ次第のものであったのだなあ。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 901
詞書は前の歌に続き「題しらず」
共寝をしていた頃は手枕のわずかな隙間の風さえ寒く感じたのに、今は独り寝にも慣れてしまった、身は慣れ次第のものだと詠む歌である。かつての親密さと今の孤独とを対比し、独り寝に慣れた我が身へのしみじみとした感慨を詠んでいる。
初句「手枕の」は、腕枕の、の意である。本巻の巻頭の第八百四十九首の「人の手枕」と、共寝のしるしである手枕を詠む点を共有している。
二句「すきまの風も」は、わずかな隙間に入る風さえも、の意で、「も」は、さえ、の意である。
三句「寒かりき」は、寒かった、の意で、「き」は自ら体験した過去を表す助動詞である。ここで句切れとなる。
四句「身はならはしの」は、身は慣れ次第の、の意である。前歌の第九百首の「慣らひて」を受けて、慣れを詠んでいる。
結句「ものにぞありける」は、ものであったのだなあ、の意で、係助詞「ぞ」を受けて過去の助動詞「けり」の連体形「ける」で結んでいる。「けり」は気づきの詠嘆を表す。
たまくら:手枕。腕を枕にすること。共寝のしるし
ならはし:習はし。習慣。慣れ
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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思ふとていとこそ人に慣れざらめ しか慣らひてぞ見ねば恋しき
- 次の歌
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吹く風に雲のはたては留むとも いかが頼まん人の心は