なげき樵る人入る山の斧の柄の
ほとほとしくもなりにけるかな
- 歌の意味
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投げ木を伐る人が入る山の斧の柄がほとほとと音を立てるように、嘆きを重ねて、ほとんど死にそうなほどになってしまったことよ。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 913
詞書「題しらず」
薪を伐る人が山で振るう斧がほとほとと音を立てるように、嘆きを重ねて、ほとんど死にそうなほどになってしまったと詠む歌である。薪の「投げ木」に「嘆き」を掛け、斧の音「ほとほと」から、危うい様子を表す「ほとほとし」を導いて、恋に思い詰めた身を詠んでいる。
初句「なげき樵る」は、投げ木を伐る、の意で、「なげき」は薪の「投げ木」と「嘆き」を掛けた掛詞である。前歌の第九百十二首の初句「嘆きつつ」と、「なげき」で始まる二首が並んでいる。
二句「人入る山の」は、人が入っていく山の、の意である。次歌の第九百十四首の「入りし奥山」と、山に入ることを詠む点を共有している。
三句「斧の柄の」は、斧の柄の、の意である。初句からここまでが、斧で木を伐る音から「ほとほと」を導く序詞となっている。
四句「ほとほとしくも」は、ほとんど死にそうなほどに、の意で、斧の音の「ほとほと」を響かせている。
結句「なりにけるかな」は、なってしまったことよ、の意で、「かな」は詠嘆を表す。
なげき:薪の「投げ木」と、「嘆き」を掛ける
こる:樵る。木を伐る
をののえ:斧の柄。斧の柄
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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嘆きつつひとり寝る夜の明くる間は いかに久しきものとかは知る
- 次の歌
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人にだに知らせで入りし奥山に 恋しさいかで尋ね来つらん