忘れじよゆめと契りし言の葉は
うつつにつらき心なりけり
- 歌の意味
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決して忘れはしないよと、夢のような逢瀬の中で誓った言葉は、現実には薄情な心であったのだなあ。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 922
詞書は前の歌に続き「題しらず」
決して忘れまいと誓ったあの言葉は、夢のようにはかない約束で、現実には薄情な心であったと嘆く歌である。「ゆめ」に、決して、の意と「夢」を掛け、「うつつ」と対比させて、恋人の誓いのはかなさを詠んでいる。
本巻の第九百十九首から第九百二十二首まで、夢を詠む歌が四首続く。
初句「忘れじよ」は、忘れはしないよ、の意で、「じ」は打消の意志を表す。恋人の誓いの言葉を引いている。
二句「ゆめと契りし」は、決してと誓った、の意で、「ゆめ」は、決して、の意の「ゆめ」と、「夢」を掛けた掛詞である。本巻の第九百十九首から続く夢の一連を結んでいる。
三句「言の葉は」は、言葉は、の意である。
四句「うつつにつらき」は、現実には薄情な、の意である。二句の「ゆめ」と四句の「うつつ」を対比させている。前歌の第九百二十首の「うつつ」と同じ語を用いている。
結句「心なりけり」は、心であったのだなあ、の意で、「けり」は気づきの詠嘆を表す。
ゆめ:決しての意の「ゆめ」と、「夢」を掛ける
ちぎる:契る。約束する。誓う
ことのは:言の葉。言葉
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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逢ふことは夢の中にもうれしくて 寝覚めの恋ぞわびしかりける
- 次の歌
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あたらしと何に命を思ひけん 忘れば古くなりぬべき身を