恋しきは色に出でても見えなくに
いかなる時か胸にしむらん
- 歌の意味
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恋しさというものは、色に表れて見えるものでもないのに、いったいどのような時に胸に染みとおるのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 939
詞書は前の歌に続き「題しらず」
恋しさは色に出て見えるものでもないのに、どのような時に胸に染みるのだろうか、と詠む歌である。目に見えない恋しさが、いつの間にか胸の奥深く染みとおっていく不思議さを、色を染める言葉に託して詠んでいる。
初句「恋しきは」は、恋しさというものは、の意である。本巻の第九百三十八首の初句「恋しきを」と、同じ語で歌い起こしている。
二句「色に出でても」は、色に表れても、の意で、「色」は顔色や外に表れる様子をいう。
三句「見えなくに」は、見えないのに、の意で、「なくに」は打消の逆接を表す。
四句「いかなる時か」は、どのような時に、の意で、係助詞「か」が結句と係り結びをなしている。
結句「胸にしむらん」は、胸に染みとおるのだろうか、の意で、「しむ」は心に深く感じる意の「沁む」に、色が「染む」意を掛けた掛詞で、二句の「色」と縁語をなしている。現在推量の助動詞「らん」の連体形で四句の「か」を受けて結んでいる。
しむ:心に深く感じる意の「沁む」と、色が「染む」意を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
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恋しきを慰めかねて菅原や ふしみに来ても寝られざりけり
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忍ばむに忍ばれぬべき恋ならば つらきにつけてやみもしなまし