君恋ふる我も久しくなりぬれば
袖に涙もふりぬべらなり
- 歌の意味
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あなたを恋い慕う私も長い年月が経ったので、袖に涙も降り続いて、私と同じように古びてしまいそうだ。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 960
詞書は前の歌に続き「題しらず」
あなたを恋い慕って長い時が経ったので、袖に涙も降りしきり、我が身と同じように古びてしまいそうだ、と詠む歌である。長く続く恋の年月の重みを、涙が「降る」ことと身が「古る」ことを重ねて詠んでいる。
初句「君恋ふる」は、あなたを恋い慕う、の意である。次歌の第九百六十一首の初句「君恋ふる」と、同じ句で始まっている。
二句「我も久しく」は、私も長い時が経って、の意である。
三句「なりぬれば」は、なってしまったので、の意である。
四句「袖に涙も」は、袖に涙も、の意である。本巻の第九百五十六首から続く雨の歌を受け、涙を雨のように降るものとしている。
結句「ふりぬべらなり」は、きっと降って古びてしまいそうだ、の意で、「ふり」は涙が「降る」意と、年月を経て「古る」意を掛けた掛詞である。「べらなり」は平安時代初期に用いられた推量の言い方である。
ふる:涙が「降る」意と、年を経て「古る」意を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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これをだに書きぞわづらふ雨と降る 涙を拭ふいとまなければ
- 次の歌
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君恋ふる涙のかかる袖のうらは 巌なりとも朽ちぞしぬべき