雪をうすみ垣根に摘める唐なづな
なづさはまくのほしき君かな
- 歌の意味
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雪が薄いので垣根のもとで摘んだ唐なずな、その名のように、なれ親しみたいと思うあなたであることよ。
- 鑑賞
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巻第十六 雑春歌 1021
詞書「女のもとに、なづなの花につけて遣はしける」
雪が薄いので垣根のもとで摘んだ唐なずなの、その名のように、なれ親しみたいあなたであると詠む歌である。詞書から、女のもとへ、なずなの花につけて送った歌とわかる。薄雪をなずなの白い花に見立てて女の清らかな美しさをたたえ、「なづな」と「なづさふ」の同音を重ねて、親しく寄り添いたい思いを伝えている。
作者の藤原長能は、藤原倫寧の子で、藤原道綱母の弟にあたる。花山天皇の側近として仕え、上総介、伊賀守などを務めた。能因法師に歌を教え、歌道の師弟関係の初めとされる。中古三十六歌仙の一人である。
初句「雪をうすみ」は、雪が薄いので、の意で、「を〜み」は原因や理由を表す。
二句「垣根に摘める」は、垣根のもとで摘んだ、の意で、「る」は完了の助動詞「り」の連体形である。
三句「唐なづな」は、なずなの一種で、上の三句は同じ音の「なづ」を重ねて四句の「なづさはまく」を導く序詞である。
四句「なづさはまくの」は、なれ親しみたい、の意で、「なづさはまく」は「なづさふ」に推量の助動詞「む」のク語法がついた形である。
結句「ほしき君かな」は、そう願わしいあなたであることよ、の意で、「かな」は詠嘆を表す。
なづさふ:慣れ親しむ、寄り添う
からなづな:唐薺。なずなの一種
- 作者
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藤原長能
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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春日野の荻の焼け原あさるとも 見えぬなき名をおほすなるかな
- 次の歌
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誰により松をも引かん鶯の はつねかひなき今日にもあるかな