東路の野路の雪間を分けて来て
あはれ都の花を見るかな
- 歌の意味
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東国の道の、野の道の雪の消え間を分けてやって来て、ああ、都の花を見ることよ。
- 鑑賞
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巻第十六 雑春歌 1049
詞書「上総より上りて侍りけるころ、源頼光が家にて人々酒たうべけるついでに」
東国の野の道の雪の消え間を分けてやって来て、ああ、都の花を見ることだと詠む歌である。詞書から、上総介の任を終えて都へ上った頃、源頼光の家で人々が酒を酌み交わした折の歌とわかる。まだ雪の残る東国の道を苦労して上ってきた後に、都の桜に出会えた喜びを、「あはれ」の一語にこめている。
作者の藤原長能は、藤原倫寧の子で、藤原道綱母の弟にあたる。花山天皇の側近として仕え、上総介、伊賀守などを務めた。能因法師に歌を教え、歌道の師弟関係の初めとされる。中古三十六歌仙の一人である。
初句「東路の」は、東国の道の、の意である。
二句「野路の雪間を」は、野の道の雪の消えた所を、の意で、まだ雪の残る東国の道をいう。
三句「分けて来て」は、分けてやって来て、の意で、苦労して上ってきた道のりを表している。
四句「あはれ都の」は、ああ、都の、の意で、「あはれ」は感動を表す。二句の東国の「雪」と、結句の都の「花」とが対をなしている。
結句「花を見るかな」は、花を見ることだ、の意で、「かな」は詠嘆を表す。
あづまぢ:東路。東国への道、東国
ゆきま:雪間。雪の消えた所
のぢ:野路。野中の道
- 作者
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藤原長能
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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桜花底なる影ぞ惜しまるる しづめる人の春と思へば
- 次の歌
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ひのもとに咲ける桜の色見れば 人の国にもあらじとぞ思ふ