琴の音はなぞやかひなき七夕の
あかぬ別れをひきしとめねば
- 歌の意味
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琴の音はどうしてこうもかいのないものなのか。いくら弾いても、七夕の名残惜しい別れを引き止めることができないのだから。
- 鑑賞
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巻第十七 雑秋歌 1090
詞書「同じ御時御屏風、七月七日夜琴弾く女あり」
琴をいくら弾いても七夕の名残惜しい別れを引き止められないので、琴の音はなんとかいのないものかと詠む歌である。詞書から、円融天皇の同じ御代の屏風に描かれた、七月七日の夜に琴を弾く女の絵に添えた歌とわかる。琴を「弾く」と別れを「引き」止めるとを掛け、絵の中の女の嘆きを詠んでいる。
作者の「源したかふ」は源順である。嵯峨源氏の出で、梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進と万葉集の訓読にあたり、辞書の和名類聚抄を編んだ。三十六歌仙に数えられる。
初句「琴の音は」は、琴の音は、の意である。
二句「なぞやかひなき」は、どうしてかいがないのか、の意で、「なぞ」は疑問の副詞、「や」は疑問の係助詞で、形容詞の連体形「なき」で結ぶ係り結びである。ここで句切れとなる二句切れの歌である。
三句「七夕の」は、七夕の二星の、の意である。
四句「あかぬ別れを」は、名残惜しい別れを、の意で、本巻の第千八十三首の二句「あかぬ別れも」、第千八十四首の四句「あかぬ別れの」と同じ語を共有している。
結句「ひきしとめねば」は、引き止めないのだから、の意で、「ひき」は琴を「弾き」と別れを「引き」止めるを掛ける掛詞である。「し」は強意の副助詞、「ねば」は打消の助動詞の已然形に「ば」がついて原因を表す。「琴」と「弾き」は縁語をなしている。
ひく:琴を「弾く」意と、別れを「引き」止める意を掛ける
- 作者
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源順
- 出典
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拾遺和歌集
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天の川扇の風に霧晴れて 空澄みわたる鵲の橋
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水のあやをおりたちて着む脱ぎ散らし 七夕つめに衣貸す夜は