庭草に村雨降りてひぐらしの
鳴く声聞けば秋は来にけり
- 歌の意味
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庭の草に村雨が降りかかり、ひぐらしの鳴く声を聞くと、秋が来たのだなあと感じる。
- 鑑賞
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巻第十七 雑秋歌 1110
詞書「題しらず」
庭の草に村雨が降り、ひぐらしの鳴く声を聞くと、秋が来たのだと気づかされると詠む歌である。にわか雨の後の庭に響く蝉の声に、季節の移り変わりを感じ取っている。
万葉集巻十の秋の雑歌に、三句を「こほろぎの」、結句を「秋づきにけり」とする類歌がある。
作者の「人まろ」は柿本人麻呂である。万葉集を代表する歌人で、後世、歌聖と仰がれた。三十六歌仙に数えられる。拾遺和歌集には、万葉集の歌や人麻呂歌集の歌が人麻呂の作として多く収められている。
初句「庭草に」は、庭の草に、の意である。
二句「村雨降りて」は、にわか雨が降って、の意である。
三句「ひぐらしの」は、ひぐらしの、の意で、本巻の第千百十三首の結句「ひぐらしも鳴く」と、ひぐらしを詠む点で通じている。
四句「鳴く声聞けば」は、鳴く声を聞くと、の意で、「ば」は已然形について、…すると、の意を表す。
結句「秋は来にけり」は、秋が来たのだなあ、の意で、「けり」は気づきの詠嘆を表す。前歌の第千百九首の結句「君は来にけり」と、「来にけり」を共有している。
むらさめ:村雨。ひとしきり激しく降ってはやむ雨
ひぐらし:蜩。夏の終わりから秋にかけて、夕方などに澄んだ声で鳴く蝉
- 作者
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柿本人麻呂
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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虫ならぬ人も音せぬ我が宿に 秋の野辺とて君は来にけり
- 次の歌
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秋風は吹きな破りそ我が宿の あばら隠せる蜘蛛のすがきを