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住の江の松を秋風吹くからに
声うちそふる沖つ白浪

歌の意味
住の江の松に秋風が吹くとすぐに、その松風の音に声を添える、沖の白波であることよ。
鑑賞
巻第十七 雑秋歌 1112

詞書「右大将定国家の屏風に」
 住の江の松に秋風が吹くとすぐに、その松風の音に沖の白波が声を添えると詠む歌である。詞書から、右大将藤原定国の家の屏風に添えた歌とわかる。松風と波の音が響き合う住の江の景を、音によって描いている。
 古今和歌集の賀歌にも、藤原定国の四十の賀の屏風歌として収められている。
 作者の「みつね」は凡河内躬恒である。古今和歌集の撰者の一人で、三十六歌仙に数えられる。

 初句「住の江の」は、摂津国の歌枕で、松の名所として知られる住の江の、の意である。
 二句「松を秋風」は、松に秋風が、の意である。
 三句「吹くからに」は、吹くとすぐに、の意で、「からに」は…するとすぐに、の意を表す。
 四句「声うちそふる」は、声を添える、の意で、松風の音に波の音が加わることをいう。
 結句「沖つ白浪」は、沖の白波、の意で、「つ」は「の」の意の古い格助詞であり、体言止めで結んでいる。

すみのえ:住の江。摂津国の歌枕で、松の名所
おきつしらなみ:沖つ白浪。沖の白波
作者
凡河内躬恒
出典
拾遺和歌集
前の歌
秋風は吹きな破りそ我が宿の あばら隠せる蜘蛛のすがきを
次の歌
秋風の寒く吹くなる我が宿の 浅茅がもとにひぐらしも鳴く