秋風の寒く吹くなる我が宿の
浅茅がもとにひぐらしも鳴く
- 歌の意味
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秋風が寒々と吹いているらしい我が家の、浅茅の根もとで、ひぐらしも鳴いている。
- 鑑賞
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巻第十七 雑秋歌 1113
詞書「題しらず」
秋風が寒々と吹く我が家の浅茅の根もとで、ひぐらしも鳴いていると詠む歌である。風の音と蝉の声とによって、寒さを増してゆく秋の住まいの寂しさを描いている。
万葉集巻十に、結句を「こほろぎ鳴くも」とする類歌がある。
作者の「人まろ」は柿本人麻呂である。万葉集を代表する歌人で、後世、歌聖と仰がれた。三十六歌仙に数えられる。拾遺和歌集には、万葉集の歌や人麻呂歌集の歌が人麻呂の作として多く収められている。
初句「秋風の」は、秋風が、の意で、次歌の第千百十四首の初句「秋風し」と、秋風を詠み出す歌が並んでいる。
二句「寒く吹くなる」は、寒々と吹いているらしい、の意で、「なる」は音によって推定する助動詞の連体形である。
三句「我が宿の」は、私の家の、の意で、次歌の第千百十四首の三句と同じ語であり、本巻の第千百九首、第千百十一首とも共有している。
四句「浅茅がもとに」は、浅茅の根もとに、の意である。
結句「ひぐらしも鳴く」は、ひぐらしも鳴いている、の意で、本巻の第千百十首の三句「ひぐらしの」と、ひぐらしを詠む点で通じている。
あさぢ:浅茅。丈の低いちがや
- 作者
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柿本人麻呂
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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住の江の松を秋風吹くからに 声うちそふる沖つ白浪
- 次の歌
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秋風し日ごとに吹けば我が宿の 岡の木の葉は色づきにけり