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深山木を朝な夕なにこりつめて
寒さを恋ふる小野の炭焼き

歌の意味
深山の木を朝に夕に伐り集めて積み上げ、炭が売れる寒さを待ち望んでいる、小野の炭焼きであることよ。
鑑賞
巻第十七 雑秋歌 1144

詞書「三百六十首の中に」
 深山の木を朝夕に伐り集めて積み上げ、炭が求められる寒さの訪れを待ち望む小野の炭焼きの姿を詠む歌である。詞書から、一年を三百六十首に詠んだ毎月集の中の一首とわかる。人が嫌う寒さを恋うという炭焼きの暮らしの逆説を、生活に即した言葉で描いている。
 作者の曾禰好忠は、丹後掾を務めたことから曾丹と呼ばれた歌人である。一年を三百六十首に詠む毎月集を作り、日常の言葉を大胆に取り入れた新しい歌風で知られる。

 初句「深山木を」は、奥深い山の木を、の意である。
 二句「朝な夕なに」は、朝に夕に、の意である。
 三句「こりつめて」は、伐り集めて積み上げて、の意で、「こる」は木を伐る意である。
 四句「寒さを恋ふる」は、寒さを待ち望む、の意で、炭の売れる寒い季節の訪れを願う心をいう。
 結句「小野の炭焼き」は、山城国の小野の炭焼き、の意で、体言止めで結んでいる。

こる:樵る。木を伐る
をの:小野。山城国の地名で、炭焼きの地として知られた
作者
曾禰好忠
出典
拾遺和歌集
前の歌
山賤の垣ほわたりをいかにぞと 霜かれがれに訪ふ人もなし
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鳰鳥の氷の関に閉ぢられて 玉藻の宿をかれやしぬらん