鳰鳥の氷の関に閉ぢられて
玉藻の宿をかれやしぬらん
- 歌の意味
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かいつぶりは、張りつめた氷の関に閉じこめられて、玉藻の住みかを離れてしまったのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十七 雑秋歌 1145
詞書は前の歌に続き「三百六十首の中に」
張りつめた氷を関所に見立て、その関に閉ざされたかいつぶりが、玉藻の中の住みかを離れてしまったのだろうかと詠む歌である。詞書は前歌の第千百四十四首と同じく、毎月集の中の一首である。凍りついた水面の景を、水鳥の身に寄せて描いている。
作者の曾禰好忠は、丹後掾を務めたことから曾丹と呼ばれた歌人である。一年を三百六十首に詠む毎月集を作り、日常の言葉を大胆に取り入れた新しい歌風で知られる。
初句「鳰鳥の」は、かいつぶりが、の意である。
二句「氷の関に」は、張りつめた氷を、人の行き来を止める関所に見立てた語である。
三句「閉ぢられて」は、閉じこめられて、の意である。
四句「玉藻の宿を」は、美しい藻の中の住みかを、の意である。
結句「かれやしぬらん」は、「かれ」が住みかを「離れ」と、玉藻が「枯れ」を掛ける掛詞である。「や」は疑問の係助詞で、現在推量の助動詞「らん」の連体形で結ぶ係り結びである。
にほどり:鳰鳥。かいつぶり
たまも:玉藻。藻の美称
かる:住みかを「離る」意と、玉藻が「枯る」意を掛ける
- 作者
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曾禰好忠
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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深山木を朝な夕なにこりつめて 寒さを恋ふる小野の炭焼き
- 次の歌
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いざかくてをり明かしてん冬の月 春の花にも劣らざりけり