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いざかくてをり明かしてん冬の月
春の花にも劣らざりけり

歌の意味
さあ、このままここに居て夜を明かそう。冬の月は、春の花にも劣らないものだったのだ。
鑑賞
巻第十七 雑秋歌 1146

詞書「高岳相如が家に、冬の夜の月おもしろう侍りける夜、まかりて」
 さあ、このまま夜を明かそう、冬の月は春の花にも劣らないものだったと詠む歌である。詞書から、冬の夜の月の美しい晩に、高岳相如の家を訪れて詠んだ歌とわかる。寒々しいものとされがちな冬の月の美しさを、春の花に劣らないと見出し、友とともに夜を明かそうと誘っている。
 作者の「もとすけ」は清原元輔である。清原深養父の孫で、清少納言の父にあたる。梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進にあたった。三十六歌仙に数えられる。

 初句「いざかくて」は、さあ、このようにして、の意で、「いざ」は人を誘う語である。
 二句「をり明かしてん」は、ここに居て夜を明かそう、の意で、「て」は強意の助動詞、「ん」は意志の助動詞である。ここで句切れとなる二句切れの歌である。
 三句「冬の月」は、冬の夜の月で、結句の「春の花」と対をなしている。
 四句「春の花にも」は、春の花にも、の意である。
 結句「劣らざりけり」は、劣らないものだったのだ、の意で、「けり」は気づきの詠嘆を表す。

をりあかす:居り明かす。そこに居て、起きたまま夜を明かす
作者
清原元輔
出典
拾遺和歌集
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