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独り寝は苦しきものと懲りよとや
旅なる夜しも雪の降るらん

歌の意味
独り寝はつらいものだと思い知って懲りよというのだろうか。旅先にいる夜に限って、雪が降るのは。
鑑賞
巻第十七 雑秋歌 1151

詞書「題しらず」
 旅先で独り寝をする夜に限って雪が降るのは、独り寝はつらいものだと懲りよというのだろうかと詠む歌である。旅寝の寒さと寂しさを、雪がわざと思い知らせようとしているかのように描いている。

 初句「独り寝は」は、独りで寝ることは、の意である。
 二句「苦しきものと」は、つらいものだと、の意である。
 三句「懲りよとや」は、懲りよというのか、の意で、「や」は疑問の係助詞であり、結句の「らん」と呼応して係り結びとなる。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
 四句「旅なる夜しも」は、旅先にいる夜に限って、の意で、「しも」は強意の副助詞である。
 結句「雪の降るらん」は、雪が降るのだろう、の意で、「らん」は原因を推量する助動詞の連体形である。前歌の第千百五十首の三句「雪降りて」から、雪の歌が続いている。

こる:懲る。つらい目にあって、二度とすまいと思う
作者
紀貫之
出典
拾遺和歌集
前の歌
ちはやぶる神の斎垣に雪降りて 空よりかかる木綿にぞありける
次の歌
わたつみも雪げの水はまさりけり をちの島々見えずなりゆく