千歳ふる霜の鶴をばおきながら
久しき物は君にぞありける
- 歌の意味
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千年を経るという、霜のように白い鶴はさしおいて、久しく長生きするものはあなたであったのだ。
- 鑑賞
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巻第十八 雑賀 1176
詞書「ある人の賀し侍りけるに」
千年を経るという霜のように白い鶴はさしおいて、久しく生きるものはあなたであったと詠む歌である。詞書から、ある人の賀の祝いに詠んだ歌とわかる。長寿の象徴である鶴さえもさしおいて、祝われる人こそが最も久しいとたたえ、「経る」と「降る」、「置き」と「さしおく」を掛けて、霜の縁で言葉を連ねている。本巻の第千百六十六首、第千百六十七首の鶴の雛や卵に対し、ここでは年を経た白い鶴を詠んでいる。
作者の「権中納言敦忠」は藤原敦忠である。左大臣藤原時平の子で、権中納言に至った。三十六歌仙に数えられ、百人一首の「逢ひ見ての」の歌で知られる。
初句「千歳ふる」は、「ふる」が年を「経る」と霜が「降る」を掛ける掛詞である。千年を経る、の意で、二句の「霜」へと続いている。
二句「霜の鶴をば」は、霜のように白い鶴を、の意で、年を経て白くなった鶴をいう。
三句「おきながら」は、「おき」が霜が「置き」とさしおくの「おき」を掛ける掛詞である。鶴をさしおいて、の意で、「霜」の縁語となっている。
四句「久しき物は」は、久しく続くものは、の意である。
結句「君にぞありける」は、あなたであったのだ、の意で、係助詞「ぞ」を受けて過去の助動詞「けり」の連体形「ける」で結ぶ係り結びである。
ふる:年を「経る」意と、霜が「降る」意を掛ける
おく:霜が「置く」意と、さしおく意を掛ける
- 作者
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藤原敦忠
- 出典
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拾遺和歌集
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すみそむる末の心の見ゆるかな 汀の松の影を映せば
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白雪は降り隠せども千代までに 竹の緑は変はらざりけり