書きつくる心見えなる跡なれど
見ても偲ばむ人やあるとて
- 歌の意味
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書きつけた心の拙さが見え透いてしまう筆跡だけれども、これを見て私をしのんでくれる人もいるかと思って。
- 鑑賞
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巻第十八 雑賀 1200
詞書「人の草子書かせ侍りける奥に書きつけ侍りける」
書きつけた心の拙さが見え透いてしまう筆跡だけれども、これを見て私をしのんでくれる人もいるかと思って書きつけると詠む歌である。詞書から、人に頼まれて草子を書き写した際、その末尾に書きつけた歌とわかる。自分の筆跡の拙さを謙遜しながらも、それを後に見て書き手をしのぶ人がいるかもしれないと、筆跡にこめた思いを残している。
初句「書きつくる」は、書きつける、の意である。
二句「心見えなる」は、心が見え透いてしまう、の意で、書き手の心の拙さが筆跡に表れることをいう。
三句「跡なれど」は、筆跡であるけれども、の意で、「ど」は逆接の接続助詞である。前歌の第千百九十九首の初句「跡もなき」と、「跡」の語を共有している。
四句「見ても偲ばむ」は、見て思い出してくれる、の意で、「む」は推量の助動詞の連体形である。
結句「人やあるとて」は、人もいるかと思って、の意で、「や」は疑問、「とて」は理由を表す。書きつけた理由を倒置して示している。
あと:跡。筆跡
さうし:草子。綴じた冊子
しのぶ:偲ぶ。懐かしく思い出す
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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跡もなき葛城山をふみ見れば 我が渡し来しかたはしかもし
- 次の歌
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岩橋の夜の契りも絶えぬべし 明くるわびしき葛城の神