人も見ぬ所に昔君と我が
せぬわざわざをせしぞ恋しき
- 歌の意味
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人も見ていない所で、昔あなたと私が、ふだんはしないようなことをあれこれとしたのが恋しい。
- 鑑賞
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巻第十八 雑賀 1207
詞書「題しらず」
人も見ていない所で、昔あなたと私がふだんはしないようなことをあれこれとしたのが恋しいと詠む歌である。人目を忍んで二人だけで過ごした昔の日々を、具体的には語らずに「せぬわざわざ」とぼかして懐かしみ、過ぎた恋への思いを率直に表している。前歌の第千二百六首が途絶えた仲を夢として突き放したのに対し、ここでは過ぎた仲を恋しく思い返している。
作者の源公忠は、光孝天皇の孫にあたり、右大弁を務めた。三十六歌仙に数えられる。
初句「人も見ぬ」は、人も見ていない、の意で、二人だけの場所をいう。
二句「所に昔」は、所で昔、の意である。
三句「君と我が」は、あなたと私が、の意である。
四句「せぬわざわざを」は、ふだんはしないことを、あれこれと、の意で、「わざ」を重ねて、人には言えない二人の行いをぼかしている。
結句「せしぞ恋しき」は、したのが恋しい、の意で、係助詞「ぞ」を受けて形容詞「恋し」の連体形「恋しき」で結ぶ係り結びである。前歌の第千二百六首の初句「夢とのみ」の過ぎた仲と対照をなしている。
わざ:業。行い、しわざ
- 作者
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源公忠
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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夢とのみ思ひなりにし世の中を 何今更に驚かすらん
- 次の歌
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今日まではいきの松原生きたれど 我が身のうさに嘆きてぞ経る