あだなりとあだにはいかが定むらん
人の心を人は知るやは
- 歌の意味
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浮気だなどと、どうしていいかげんに決めつけるのだろう。人の心を、他人が知ることができようか、できはしない。
- 鑑賞
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巻第十九 雑恋 1213
詞書「題しらず」
浮気だなどと、どうしていいかげんに決めつけるのか、人の心を他人が知ることなどできはしないと詠む歌である。心変わりを疑われた者が、本心を知りもしないで軽々しく決めつけないでほしいと訴えている。「あだ」と「人」を繰り返して、言葉の調子にとがめる気持ちをこめている。
作者の大中臣能宣は、伊勢神宮の祭主大中臣頼基の子で、梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進にあたった。三十六歌仙に数えられ、百人一首の「みかきもり」の歌で知られる。
初句「あだなりと」は、浮気であると、の意で、「あだ」は心が変わりやすく誠実でないことをいう。
二句「あだにはいかが」は、いいかげんに、どうして、の意で、初句の「あだ」を、軽々しい意で繰り返している。
三句「定むらん」は、決めつけるのだろうか、の意で、「らん」は原因を推量する助動詞である。ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「人の心を」は、ある人の心を、の意で、疑われている自分の心をいう。
結句「人は知るやは」は、他人が知ることができようか、の意で、「やは」は反語を表す。四句の「人」を繰り返し、自分の心と他人の推し量りとを対比している。
あだ:徒。心が変わりやすく誠実でないこと。いいかげんなこと
- 作者
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大中臣能宣
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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三島江の玉江の葦を標めしより おのがとぞ思ふいまだ刈らねど
- 次の歌
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双六の市場に立てる人妻の 逢はでやみなん物にやはあらぬ