過ちのあるかなきかを知らぬ身は
厭ふに似たる心地こそすれ
- 歌の意味
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自分に過ちがあるのかないのかもわからない身としては、あなたに嫌われているような気持ちがすることだ。
- 鑑賞
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巻第十九 雑恋 1231
詞書「久しうまうで来ざりける男のたまさかに来たりければ、女のとみにも出でざりければ」
自分に過ちがあるのかないのかもわからない身には、嫌われているような気持ちがすると詠む歌である。詞書から、長く訪れなかった男がたまに訪ねて来たところ、女がすぐには出て来なかったので、男が詠んだ歌とわかる。久しく通わなかった自分の非には触れず、何か過ちがあったのかもわからないまま、つれなくされているようだと、女の冷たさを恨んでいる。
初句「過ちの」は、過失が、の意で、自分が相手に何か過ちを犯したかどうかをいう。
二句「あるかなきかを」は、あるのかないのかを、の意である。
三句「知らぬ身は」は、わからない身としては、の意である。
四句「厭ふに似たる」は、嫌っているのに似た、の意で、女がすぐに出て来ないことを、自分を嫌っているかのようだと受け取っている。
結句「心地こそすれ」は、気持ちがすることだ、の意で、係助詞「こそ」を受けてサ変動詞「す」の已然形「すれ」で結ぶ係り結びである。
いとふ:厭ふ。嫌う、避ける
とみ:頓。急なこと
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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はし鷹のとがへる山の椎柴の 葉替へはすとも君は替へせじ
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行く水の泡ならばこそ消えかへり 人の淵瀬を流れても見め