思ひやる越の白山知らねども
一夜も夢に越えぬ日ぞなき
- 歌の意味
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はるかに思いやる越の白山を、私は知らないけれど、夢の中で越えない日は一日としてない。
- 鑑賞
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巻第十九 雑恋 1242
詞書「越なる人の許に遣はしける」
はるかに思いやる越の白山を知らないけれど、夢の中で越えない日は一日もないと詠む歌である。詞書から、越の国にいる人のもとに送った歌とわかる。見たこともない遠い越の白山を、夜ごとの夢では越えて相手のもとへ通っていると、遠く離れた人への思いの深さを伝えている。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。古今和歌集の撰者の中心人物で、仮名序を執筆し、土佐日記を著した。三十六歌仙に数えられる。
初句「思ひやる」は、遠く思いをはせる、の意である。
二句「越の白山」は、越の国の白山、の意で、加賀と越前の境にある雪の山である。
三句「知らねども」は、知らないけれども、の意で、二句の「白山」の「しら」を受けて、同じ音を重ねている。
四句「一夜も夢に」は、一夜として夢で、の意で、結句の「日」と対をなしている。
結句「越えぬ日ぞなき」は、越えない日はない、の意で、係助詞「ぞ」を受けて形容詞「なし」の連体形「なき」で結ぶ係り結びである。二句の「越」を受けて「越え」と重ねている。
こし:越。北陸地方の古称
しらやま:白山。加賀と越前の境にある山
- 作者
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紀貫之
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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君をのみ思ひやりつつ神よりも 心のそらになりし宵かな
- 次の歌
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山科の木幡の里に馬はあれど 徒歩よりぞ来る君を思へば