独りのみ年経けるにも劣らじを
数ならぬ身のあるはあるかは
- 歌の意味
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独りきりで年を過ごしてきたのにも劣らないだろうに、取るに足らない私がいることは、いるといえるだろうか。いないも同然なのだ。
- 鑑賞
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巻第十九 雑恋 1250
詞書「なかなか独りあらばなど女の言ひ侍りければ」
独りで年を過ごすのにも劣らないだろうに、取るに足らない私がいることは、いるうちに入るだろうかと詠む歌である。詞書から、女が、なまじ夫がいるよりはいっそ独りでいたほうがよいなどと言ったので、作者が詠んだ歌とわかる。女の不満に対して、自分などいてもいないのと同じだと卑下してみせながら、それとなく相手の言葉に恨みを返している。
作者の「もとすけ」は清原元輔である。清少納言の父で、梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進にあたった。三十六歌仙に数えられる。
初句「独りのみ」は、独りきりで、の意で、詞書の女の「独りあらば」という言葉を受けている。
二句「年経けるにも」は、年を過ごしてきたのにも、の意である。
三句「劣らじを」は、劣らないだろうに、の意で、「じ」は打消の推量、「を」は逆接の接続助詞である。
四句「数ならぬ身の」は、取るに足らない私が、の意で、自分を卑下している。
結句「あるはあるかは」は、いることはいるうちに入るだろうか、の意で、「かは」は反語を表す。「ある」を重ねて、いないも同然だと言っている。
かず:数。数え立てるに足るもの
- 作者
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清原元輔
- 出典
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拾遺和歌集
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定めなき人の心に比ぶれば ただ浮島は名のみなりけり
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風早み峰の葛葉のともすれば あやかりやすき人の心か