独りして世をし尽くさば高砂の
松の常磐もかひなかりけり
- 歌の意味
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独りきりでこの世を終えるのならば、高砂の松がいつまでも変わらず緑であるような長寿も、甲斐のないことであった。
- 鑑賞
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巻第十九 雑恋 1271
詞書「題しらず」
独りきりでこの世を終えるのならば、高砂の松のような変わらぬ長寿も甲斐がないと詠む歌である。長寿の象徴である高砂の松を引き合いに出し、どれほど長く生きても、共に過ごす人がいなければむなしいと、独り身の寂しさを詠んでいる。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。古今和歌集の撰者の中心人物で、仮名序を執筆し、土佐日記を著した。三十六歌仙に数えられる。
初句「独りして」は、独りきりで、の意である。
二句「世をし尽くさば」は、一生を終えるならば、の意で、「し」は強めの副助詞、「ば」は未然形について仮定を表す。
三句「高砂の」は、播磨国の高砂の、の意で、高砂は長寿の松の名所である。
四句「松の常磐も」は、松のいつまでも変わらない緑も、の意で、長寿をいう。
結句「かひなかりけり」は、甲斐のないことであった、の意で、「けり」は気づきの詠嘆を表す。
ときは:常磐。いつまでも変わらないこと
たかさご:高砂。播磨国の地名。松の名所
- 作者
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紀貫之
- 出典
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拾遺和歌集
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ゆゆしとて忌むとも今はかひもあらじ 憂きをば風につけてやみなん
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玉藻刈る海人の行き方さす棹の 長くや人をうらみわたらん