恋ふる間に年の暮れなば亡き人の
別れやいとど遠くなりなん
- 歌の意味
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恋い慕っているうちに年が暮れてしまったならば、亡き人との別れは、いっそう遠いものになってしまうのだろうか。
- 鑑賞
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巻第二十 哀傷 1309
詞書「中納言兼輔、妻亡くなりて侍りける年の師走に、貫之まかりて物言ひ侍りけるついでに」
恋い慕ううちに年が暮れたならば、亡き人との別れはいっそう遠くなるのだろうかと詠む歌である。詞書から、中納言藤原兼輔の妻が亡くなった年の十二月に、作者が兼輔を訪ねて話をした折に詠んだ歌とわかる。年が改まれば、亡くなったのは去年のこととなって、別れがいっそう遠く感じられるだろうと、年の暮れに亡き人を思う兼輔の心を思いやっている。藤原兼輔は堤中納言と呼ばれ、貫之らの歌人を庇護した。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。古今和歌集の撰者の中心人物で、仮名序を執筆し、土佐日記を著した。三十六歌仙に数えられる。
初句「恋ふる間に」は、恋い慕っているうちに、の意である。
二句「年の暮れなば」は、年が暮れてしまったならば、の意で、「な」は完了の助動詞「ぬ」の未然形、「ば」は仮定を表す。
三句「亡き人の」は、亡くなった人の、の意で、兼輔の妻をいう。
四句「別れやいとど」は、別れがいっそう、の意で、係助詞「や」は結句の連体形「なん」で結ぶ係り結びである。
結句「遠くなりなん」は、遠くなってしまうのだろう、の意で、「な」は完了、「ん」は推量の助動詞である。本巻の第千二百八十七首の結句「いや遠ざかり」と、時とともに亡き人が遠ざかる趣を共有している。
しはす:師走。陰暦十二月
- 作者
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紀貫之
- 出典
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拾遺和歌集
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思ふより言ふはおろかになりぬれば たとへて言はん言の葉ぞなき
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