鳥辺山谷に煙の燃え立たば
はかなく見えし我と知らなん
- 歌の意味
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鳥辺山の谷に煙が燃え立ったならば、それは、はかなく見えていた私だと知ってほしい。
- 鑑賞
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巻第二十 哀傷 1324
詞書「題しらず」
鳥辺山の谷に煙が燃え立ったならば、はかなく見えた私だと知ってほしいと詠む歌である。鳥辺山は都の東にある葬送の地で、火葬の煙が立つ所であった。日ごろから病弱ではかなげに見えていた自分の死を予感し、火葬の煙を見たら私だと思い出してほしいと、親しい人に呼びかけている。
初句「鳥辺山」は、京の東山にある葬送の地である。
二句「谷に煙の」は、谷に火葬の煙が、の意である。
三句「燃え立たば」は、燃え立ったならば、の意で、「ば」は未然形について仮定を表す。
四句「はかなく見えし」は、はかなげに見えていた、の意で、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。煙のはかなさと、生前の自分のはかなさを重ねている。
結句「我と知らなん」は、私だと知ってほしい、の意で、「なん」は他に対する願望を表す終助詞である。
とりべやま:鳥辺山。京の東山にあった葬送の地
けぶり:煙
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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呉竹の我がよは異になりぬとも ねは絶えせずもなかるべきかな
- 次の歌
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皆人の命を露にたとふるは 草むらごとに置けばなりけり