- 歌の意味
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今日からは、露のようにはかない命も惜しくはない。極楽の蓮の葉の上に宿る露の玉となって生まれ変わると約束したので。
- 鑑賞
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巻第二十 哀傷 1340
詞書「左大将済時、白河にて説教せさせ侍りけるに」
今日からは露のような命も惜しくない、極楽の蓮の上の玉となると約束したので、と詠む歌である。詞書から、左大将藤原済時が白河で説教を催した折に詠んだ歌とわかる。済時は作者の叔父で、作者を養育した。説教を聞いて極楽往生の縁を結んだ喜びを、露の命と蓮の上の露の玉とを重ねて詠み、死後には極楽の蓮の上に生まれると思えば命も惜しくないと、仏縁を得た心境を伝えている。
作者の「実方朝臣」は藤原実方である。藤原定時の子で、叔父の済時の養子となった。陸奥守として任地で没した。中古三十六歌仙の一人で、百人一首の「かくとだに」の歌で知られる。
初句「今日よりは」は、今日からは、の意で、説教を聞いて仏縁を結んだ日をいう。
二句「露の命も」は、露のようにはかない命も、の意である。
三句「惜しからず」は、惜しくはない、の意で、ここで句切れとなる三句切れの歌で、下の句はその理由を倒置して示している。
四句「蓮の上の」は、極楽の蓮の上の、の意で、極楽往生をいう。
結句「玉と契れば」は、露の玉となると約束したので、の意で、二句の「露」と、蓮の葉に宿る露の玉とを重ねている。次歌以降の、極楽往生を願う歌へと続いている。
はちす:蓮
ちぎる:契る。約束する
せつけう:説教。経典の教えを説き聞かせること
- 作者
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藤原実方
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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薪こることは昨日に尽きにしを いざをのの柄はここに朽たさん
- 次の歌
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朝ごとに払ふ塵だにあるものを 今幾世とてたゆむなるらん